『アルメット』豊かな生活を当たり前と思う前に

今回は、『すてきな三にんぐみ』でおなじみ、トミー・ウンゲラーさんの作品『アルメット』をご紹介します。訳は谷川俊太郎さんです。

『アルメット』 トミー・ウンゲラー/作 谷川俊太郎/訳 好学社

『アルメット』のあらすじ

家もない、食べ物もない、たった一人ぼっちのアルメット。寒さに震えながらお菓子屋のウィンドウを覗くと店の主人に罵声を浴びせられ、逃げ帰ります。

今にも倒れそうなアルメットですが、この後誰もが予想しない展開に。貧しさに蝕まれることのなかった、アルメットの美しい心にはっとさせられる作品です。

『アルメット』を読んでみて

これはなかなか現実をつきつけられるお話でした。
当たり前に家があって、ボタンひとつでエアコンもついて、美味しいご飯が出てきて、休みの日にはSwitchができる。
そんな日常を過ごしている息子達に、アルメットはどんな風にうつったんだろう。

お話の終わり方は、すてきな三にんぐみと通じるところがあるなと思いました。
読み終わったあと次男(小2)が、表紙を見返して
アルメットのお鼻、何で赤いのかなぁと言っていたのが印象的でした。
彼なりにアルメットの悲しみや寒さに打ちひしがれる様子を感じ取っていたのかも。

2022年刊行ですが、1982年に集英社から『マッチ売りの少女アルメット』という邦題で出ているようです。原書は1974年刊行。

50年近く前の作品とは思えないぐらい、現代の混沌とした世界情勢を反映しているなと思いました。コロナやウクライナ戦争で当たり前が当たり前でなくなってきた今の時代に必要な絵本かもしれません。

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