今回ご紹介するのは偕成社の「はたらくのりものえほん」シリーズの中から『ピン・ポン・バス』です。2、3才さんぐらいから乗り物にハマっているお子様にはぜひ制覇していただきたいシリーズの1作品目です。
『ピン・ポン・バス』ってどんな絵本?
まずはじめに、『ピン・ポン・バス』がどんな絵本なのか、簡単に説明しますね。
「はたらくのりものえほん」シリーズの1作目
竹下文子さん、鈴木まもるさんご夫妻は、乗り物絵本をたくさん出版されていらっしゃいますが、この『ピン・ポン・バス』もそのうちの1冊。偕成社の「はたらくのりものえほん」シリーズの1作品目でもあります。
私がこのお2人の乗り物絵本で好きなのが、あたたかさの溢れる文と絵。ただ働く車が活躍して終わりの絵本ではないんですよね。詳しくは後ほど。
続編もあり
この『ピン・ポン・バス』は、『うみへいく ピン・ポン・バス』という続編も出版されています。
前編に出てきたバスが続編に登場したりして、細かいところも楽しめる作品です。2冊一緒に読んで見比べてみるのも楽しいですよ。
『ピン・ポン・バス』あらすじ
駅前のバス停から、バスが発車しました。スーパーマーケットの前、学校の前、病院の前。「ピンポン」となる度にバスは止まります。
運転手さんがすれ違うバスと挨拶したり、お客さん同士が助けあったり、時にはお客さんの忘れ物を届けに運転手さんが走ったり。バスの中では色々な出来事が起こります。
帰りはいったいどんな人が乗るのでしょうか。
『ピン・ポン・バス』レビュー
それでは私が『ピン・ポン・バス』の絵本の中で気に入っているところを紹介します。
あたたかさの溢れる文と絵
竹下文子さんの書かれる文章は、働く車だけでなく、それに乗っている人たちの心に触れる表現が出てくるところがとっても好きなんです。例えば
スーパーマーケットのまえで とまります。
たくさん かいものをしたひとが のりました。
きょうの ばんごはん なにかな。
こんな表現であったり、
病院の前でバスが止まった時の、
みんな はやく げんきになると いいな。
ここで とまるたびに、
うんてんしゅさんは そうおもいます。
この一文とか。
そしてお話の最後がまたきれいな終わり方なんですよ!!
かえりは どんなひとが のるのかな。
ゆうぐれの みちを はしっていくバスに、
あかりが ぱっと つきました。
ここを読んだ時、鈴木まもるさんの素敵な夕暮れの絵とリンクして鳥肌が立ちましたもん。
細かいところも楽しめる
私がこのお2人の乗り物絵本を読むときにいつも楽しみにしているのが、背景の町並み。鈴木まもるさんの遊び心なのか、お店の名前や看板が面白いんですよね。
カゼにクシャロンという看板があったり、道を走っている宅配便の名前がアカネコクルクル便だったり。
さらに今回の主役のオレンジ色のバスですが、後ろに「ペットショップぴあ」というお店の広告がはられています。読んでいるとお話の中にこのお店が登場しているのを発見するはずですよ~。ぜひ色々探してみてくださいね。
おわりに
バスに乗ると、子どもってただでさえ「ピンポン」ボタンを押すのが好きですから、この絵本を読んだらもう押さずにはいられませんよね^^
絵本の中でも、実際のバスの中でも、色々な人が乗って降りて、それぞれにドラマがあるんだなぁとしみじみ感じるお話です。
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