こんにちは。スーザ(@ouchidesugosou)です。
今日は『ねぼすけスーザ』シリーズ4作目である、『ねぼすけスーザのセーター』をご紹介します。セーターのお話ということで、これからの季節にぴったりの、心あたたまるストーリーです。
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『ねぼすけスーザのセーター』スーザのあらすじ解説
毎朝マリアおばさんがフライパンを叩く音で目を覚ますスーザ。ところが今日はフライパンの音が聞こえず、目覚めた時にはお昼近くになっていました。いつもより寒く感じ、セーターをひっぱり出して着てみるとすっかり小さくなっています。
外に出ると、近所に住むルイサおばあさんやアントニオおじいさん、テレサおばさんにおつかいを頼まれ、町まで出かけていきます。毛糸屋さんの前を通りかかった時、ショーウィンドウにトマトの模様のついたとっても素敵なセーターが飾ってあるのを見つけました。貯めていたお小遣いで買おうかなと思いながら、頼まれたおつかいを済ませて毛糸屋さんに戻ります。
するとトマトのセーターが見当たりません。お店のおばさんに聞くと、ついさっき売れてしまったようなのです。がっかりしたスーザですが、他のお店にトマトのセーターがあるかもしれないと町中を探し回ります。
あたりが暗くなるまで探してもついにセーターは見つかりませんでした。暗い道をとぼとぼ帰るスーザ。手と足がつめたくなり、セーターをひっぱってみますが、小さすぎるセーターではうまくいきません。そこへ丘の向こうから小さな灯りと荷車の音が近づいてきます。「あっあれは…」!?
『ねぼすけスーザのセーター』見どころは?
毎度おなじみ、小さなお楽しみ
さあ、毎度おなじみになってきましたが、まずは1作目にでてきた「一番」素敵なもの、見つかりましたか?今回はこの素敵なものの上に、ストーリーの鍵となる「なにか」がのっています。最後まで読むと「おー!!マリアおばさんさすがやな!!」と思うこと間違いなしです(笑)
そしてもう一つ、スーザが町で通る本屋さんのショーウィンドウも見てみてくださいね。ちゃーんと増えていっていますので^^
トマトのセーター
スーザが毛糸屋さんでとても気に入ったトマトのセーター。なんでトマトなの?と思うかもしれませんが、前作の『ねぼすけスーザとあかいトマト』がヒントになっています。スーザと一緒に暮らしているマリアおばさんは、トマトを育てていて、それをスーザが町まで運び、八百屋のホルヘおじさんが売っているんです。
スーザは、
マリアおばさんが いつも わたしより うんと はやく おきて、くさを とったり わるい むしを とったりして つくった トマト
と語っていました。スーザにとってトマトは、大好きなマリアおばさんが大切に育てている特別なものなんですね。だからトマトにはすごく思い入れがあるんじゃないかな、と想像しています。
じんわり心があたたまる結末
一目で気に入ったトマトのセーターが、どこを探しまわっても見つからず、暗くて寒い夜道をとぼとぼ帰るスーザ。そんな時に見覚えのある灯りと聞き覚えのある音が近づいてきます。いくつになっても暗い夜道を一人で歩くのって心細いですよね。でもそんな時にあたたかな灯りとともに、大好きな人の顔が見えたらどれだけほっとすることでしょう。
マリアおばさんは、お話の最後にスーザがとっても喜ぶものを準備してくれていますが、そのチョイスは「さすが!!」としか言いようがありません。スーザのセーターが小さくなってしまっていたことも、スーザの好きなものは何なのかも、マリアおばさんは全てお見通しなのです。
おわりに
今回の4作目は、個人的に『ねぼすけスーザ』シリーズの中でも上位にランクインするぐらい結末が素晴らしいです。マリアおばさんが準備してくれていたあるものを身につけて、心も体もぽかぽかになったスーザの寝顔に癒やされます。裏表紙で、ちゃんと頼まれたおつかいをやり遂げるスーザにも注目してみてくださいね^^
※絵本の表紙、見開き写真は、福音館書店ご担当者様の許可を得て掲載しています。
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