こんにちは。スーザ(@ouchidesugosou)です。
今日紹介するのは広野多珂子さんの『ちいさな魔女リトラ』。魔女や魔法がでてくるお話が好きな人におすすめの絵本です。
『ちいさな魔女リトラ』スーザのあらすじ解説
トーマとお母さんは二人暮し。お母さんの熱が下がらず、どうしたらいいか考え込んでいるトーマは、ふとあることを思い出します。「とんがりやまの森に薬を作るのがとても上手な魔女がすんでいる」以前お母さんが言っていたことです。
トーマはすぐに魔女のところへでかけます。ところが魔女はこう言うのです。「面白いことをしてくれたら 薬をつくってやってもいい」
困ったトーマはでんぐり返りをしてみたり、葉っぱでお面を作ってみたり。それでも魔女は納得しません。
トーマが最後に思いついたとっておきのアイデアとは…!?果たしてトーマは、リトラに薬を作ってもらえたのでしょうか!?
『ちいさな魔女リトラ』はこうしてできた
『ちいさな魔女リトラ』は、広野多珂子さんがドイツの魔女の人形からヒントを得て作られた絵本なのだそうです。裏表紙のカバーにこのように書かれています。
この絵本は、小さな魔女の人形からヒントを得ました。魔女の魔力に惑わされたのか、迷路に入り込み何度も堂々巡りを繰り返しました。やっとのことで描き終えたとき、魔女の人形がニッコリと微笑んでくれたように思えたのは気のせいでしょうか。
広野さんが産みの苦しみを味わいながらも書き上げた作品なのですね。
『ちいさな魔女リトラ』みどころ
大画面で引き込まれる
この『ちいさな魔女リトラ』は絵本の中でもかなり大きいサイズだと思います。表紙のサイズが縦28×横30cmなので、見開きページは縦28×横60cmにもなります。そのページいっぱいに広野多珂子さんの美しい絵が広がっていて、ちょっとした大きさのテレビで映画を見ているかのような感覚に。
さらに今回引きこまれたのが、主人公のトーマが魔女を探して薄暗い森の中を歩くシーン。今まで読んできた広野多珂子さんの絵本はまぶしいぐらいお日様の光が輝く場面が多かったので、意表をつかれました。読んでいる私もつい息をひそめてしまうほど雰囲気が出ています。トーマの心細い気持ちが痛いほど伝わってきました。
魔女のおうちにかけてある帽子が…
私、見つけてしまったんです。トーマが魔女の家を見つけて入っていくシーン。魔女の家の壁に麦わら帽子がかけてあるんですが…。なんかこの麦わら帽子見たことがある!!ピンクの縁取りの麦わら帽子、これって『ねぼすけスーザ』シリーズでスーザが被ってた帽子とそっくりなんですけど!!
これは広野さんが遊び心でされたものなのか!?それとも広野さんにとって麦わら帽子といえばこれなのかな?誰か知ってる方教えてくださーい!!めっちゃ気になってます(笑)
おなじみのほおずりが
広野多珂子さんの作品には「ほおずり」がよくでてきます。ほっぺたを合わせると、子どももとっても喜びますよね。
長男が生まれる前に初めて買った絵本が三浦太郎さんの『くっついた』でした。
『くっついた』の最後のページでもお母さんお父さんとあかちゃんがほっぺをぴたっとくっつけます。ただほっぺとほっぺを合わせるだけなのに、なんであんなに幸せな気分になるんでしょう。子どものほっぺってとっても柔らかくて気持ちいいですしね^^
この『ちいさな魔女リトラ』でもお話の一番最後にニコニコ笑顔のほおずりがでてきます。広野多珂子さんの絵本を読むと、必ず子どもに無性にほおずりしたくなります。
実は優しい!?リトラ
お話の中ではちょっと意地悪な性格のリトラ。
ひとが こまったり かなしんだりするのを みるのが だいすきだからね
と言ってみたり「おもしろいことをしたら薬を作ってやっても良い」とトーマを困らせたり。
それでもなんだかんだ言ってトーマとお母さんのことを気にかけているんですよ。お話の一番最後のページでは、トーマと元気になったお母さんの様子を空の上から見ていたり、裏表紙では塔の上からどこかを眺めています。眺めている先は実はあの場所なんですよね^^
意地悪そうにしているけど、実はとっても優しいリトラなのでした。
おわりに
広野多珂子さんの美しい絵がたっぷり堪能できる『ちいさな魔女リトラ』。我が家はもう図書館で貸出の延長を3回ぐらいしています。(←買ったほうが早いというツッコミが聞こえてきそう)ぜひ大画面の迫力を味わってみてください。
※絵本の表紙、見開き写真は、福音館書店ご担当者様の許可を得て掲載しています。
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