今回は、クリスマスの定番しかけ絵本を紹介します。初版が1983年なので、「子どもの頃好きだった」という方も多いはず。
『まどから おくりもの』ってどんな絵本?
今日紹介する『まどから おくりもの』について簡単に説明すると
- 1983年から愛され続ける定番のクリスマス絵本
- 作者五味太郎さんのアイデアが光る1冊
- 絵の窓の部分が繰り抜かれているしかけ絵本
『まどから おくりもの』スーザの内容解説
サンタさんが窓から見える姿だけで判断して、プレゼントを配っていきます。
ここは ねこさんの おうち。
おくりものは かわいい リボン。
と、ねこさんへのプレゼントを窓からぽいっと入れるのですが、ページをめくってみると…あれ!?そこにいるのは「ねこさん模様の服を来たぶたさん」!!
ここは どうやら きつねさんの おうち。
おくりものは とんがりぼうし。
と、きつねさんの耳の形にぴったりの帽子を窓からぽいっと入れると、実はそこにいるのはわにさん。
こんな感じでちょっとずれちゃったプレゼントを配り歩いてしまったサンタさん。翌朝目が覚めたみんなの反応はいったい…!?
作者の五味太郎さんってどんな人?
五味太郎さんのインタビューや対談などを読んでいると、本当に全てが斬新すぎて名言ばかり飛び出してきます。例えばこちらのインタビュー記事。400冊以上絵本を出版されている五味さんですが、それでも「今一番楽しいことは?」と聞かれると「そりゃ、絵本を作ることだなぁ。」というお答え!!
こんな言葉が飛び出したり。
「俺、『子供』をやったことはない。ずっと『五味太郎』をやってただけ」。子供はこうだとか、大人はこうだとかいう発想自体が嫌いなのだ。
さらに気になったのがこちら。
「人生でつらいのはどんな時?」と尋ねてみたら、こんな答えが返ってきた。 「絵本を描いている最中に、もっと面白い絵本のアイデアを思いついちゃった時かな。すぐに取りかかりたいのに、目の前の絵本を仕上げなきゃ次に行けない。必死で新しいアイデアを我慢するのは、かなりつらい」
ひえー。参りましたとしか言えません(笑)
他にも絵本ナビの金柿代表との対談動画なんかも見つけましたので、興味のある方はぜひ見てみてください。
『まどからおくりもの』のココが楽しい
それでは『まどからおくりもの』の中で私が気に入っているところを紹介しますね。
斬新なアイデア
いつもながら、五味太郎さんの絵本は短い言葉の中に面白さが凝縮されていますよね。この『まどから おくりもの』のも、短いセリフと、本当に簡単なしかけなのに五味さんのセンスが光りまくっています。
だってこちら、見てください。『まどから おくりもの』の奥付部分なんですが、
このしかけのアイデアが秀逸すぎて、真似してしまったり、知らないうちに似たようなものを作ってしまったりする人が現れたんでしょうね。五味太郎さんすごすぎです。
とにかく子どもの反応がいい
うちの長男もそうですが、色々な方のレビューを見ていて感じたのは、とにかく子どもウケが抜群ですよね。大人でも笑っちゃうし突っ込みたくなるぐらいですから。
ページをめくってすぐに突っ込みたくなるのが、サンタさんといえば「そり」という定番を覆す「ヘリコプター」での登場!我が家の長男も「えーサンタさん、そりやなしにヘリコプターのっとーよ」と読む度に言ってきます。
さらにこの絵本を繰り返し繰り返し読んでもらっている子たちは、みんなプレゼントを配るところで「違うよ―!!」と言って、ページをめくって「ほらー!!」となるみたいです。子どもたちが五味太郎さんのユーモアを理解した瞬間に、この絵本が何倍もおもしろくなるでしょうね。
おわりに
30年以上に渡ってクリスマスに読み継がれてきた『まどから おくりもの』。今ワクワクしながらページを覗いている子どもたちも、きっと将来子どもが生まれたら手渡したくなるはずです。
ぜひ実際にページをめくってみて、お子さんと一緒にしかけを楽しんでくださいね。
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