今日紹介するのは福音館書店から出版されている とらのこの「とらた」が主人公の絵本シリーズです。
私が初めてとらたに出会ったのは幼稚園の頃。今回この記事を書くに当たって調べてみると、シリーズ1作品目『はじめてのゆき』の初版が1970年ということですからもう40年以上子どもたちに読まれ続けている作品ということになりますね。それだけ「とらた」の愛らしさに皆魅了されているのだと思います。それでは「とらた」シリーズについて詳しく紹介していきます。
とらのこ「とらた」の絵本とは?
とらのこ「とらた」の絵本は、福音館書店の月刊誌「こどものとも年中向き」「こどものとも年少版」から生まれたシリーズ。全部で5作品あります。
「とらた」がはじめて雪と出合った時の様子や、ひろっぱに転がる”まるた”を色々なものに見立てて遊ぶ様子など、好奇心旺盛な「とらた」の姿が子どもたちと重なります。
とらたの他にはお父さん、お母さん、ガールフレンドの「とらこ」、そして他にもとらたのお友達の動物たちが登場します。
作者はこんなおふたり
「とらた」シリーズの作者は中川李枝子(なかがわりえこ)さん。あの『ぐりとぐら』シリーズの作者でもあります。
そして絵を描かれているのは、中川李枝子さんのご主人である中川宗弥(なかがわそうや)さん。ご夫婦での作品です。
中川ご夫妻による作品は他にもたくさん。
ももいろのきりん
くまさんおでかけ
ぞうさん
『ぞうさん』こちらはまどみちおさんの詩の中から中川李枝子さんが選曲されたようです。
とらのことらたの絵本5作品レビュー
それでは「とらた」が登場する作品を1冊ずつ紹介していきます。
『はじめてのゆき』
調べたところ、こちらが「とらた」が登場する1作品目のようです。私が「とらた」と出会った最初の作品でもあります。
子どもの頃から印象に残っているのは、中川宗弥さんの雪の表現の仕方です。真っ白な紙面そのもので雪を表現されています。
子どもたちにとったら、一面の雪景色ってこういう風に見えるのかもなぁと、大人になってから感じました。
とらたが
ふーっ。ゆきって とても さむいんだなあ。
ふーっ。ゆきって とても つめたいんだなあ。
ふーっ。おどろいた。ゆきって あぶないぞ。
と一つ一つ自分の体で雪を感じ取っていく様子が、子どもそのものだなぁと思います。
お話の最後に真っ青に晴れ渡った空が描かれていますが、その色が本当にきれいです。
この『はじめてのゆき』はハードカバー化されていて現在でも入手可能です。ハードカバー化されて、表紙の色がグレーになっていますが、私はソフトカバー版の白い表紙が、ストーリーと合っていて好きだなぁと思います^^
『とらたとまるた』
2番目に発表された作品はこちら。1980年にこどものとも年少版として出版されたのが最初です。
ひろっぱに転がる”まるた”をみて、
「あ、うまだ」
ととらた。
するとまるたは
「そりゃ、もちろん わたしは うまだ」
と言ってとらたをのせてぱっぱかぱっぱか駆け出します。
その後もカヌーになったり一本橋になったり、一本のまるたが大活躍するお話です。
入手方法ですが、現在は福音館書店のホームページでも品切れと記載されており、手に入らない状態です。過去にハードカバー化はされているようですが、今はもうほとんど出回っていないようです。
図書館で探すか、手に入れたい場合は古本屋さん、フリマアプリやオークションなどで探すしかなさそうですね。私もフリマアプリでゲットしました^^
Amazonの中古で出てるときもあります↓
『とらたとトラック』
とらのこのとらたが外へ出ると、一本のひもが落ちていました。次にはタイヤが転がっています。さらに行くと「助けてくれえ」と声が。声の主はトラックでした。転んでタイヤがはずれてしまったのです。
とらたは拾ったひもを使ってトラックをどろから引っ張りだしたりゴシゴシ洗ったり。最後は綺麗になったトラックとドライブです。
『とらたとおおゆき』
『はじめてのゆき』で雪と初めて出合った「とらた」ですが、今度は積もった雪でお山ができるぐらい大雪の日のお話です。
お父さんが作ってくれたそりで遊ぶ「とらた」。おうちに帰るとサンタさんからとっても素敵な贈り物が届いています。その贈り物をそりにつけてみると、とらたの友達がたくさん集まってきます。最後はみんなでそり遊び。楽しい冬の一日が描かれています。
動物たちのネーミングにちょっと時代を感じますが(笑)、子どもの頃スキー場でそりすべりに連れて行ってもらった日のことを思い出しながら楽しく読みました。
この『とらたとおおゆき』は現在も入手可能です。
『とらたとヨット』
最後の5作品目は『とらたとヨット』。水たまりにバケツが浮かんでいるのを見た「とらた」はヨットを作ろうと思い立ちます。お父さんの力を借りながら、帆のついた素敵なヨットが完成。
自分で作ったヨットで水の上を進む「とらた」がなんとも気持ちよさそうな1冊です。
おわりに
「とらた」シリーズは、私が幼稚園の頃から、そして自分の子どもが生まれてからも、何度も何度も子どもたちと一緒に楽しんでいる作品です。
時代に左右されず、子どもたちに愛されるシリーズだと思います。