今回ご紹介するのは、『アンガスとあひる』や『あひるのピンのぼうけん』で知られるマージョリー・フラック(Marjorie Flack)さんの作品『ウィリアムの子ねこ』です。みんなが幸せになるお話、ぜひ読んでみてください。
『ウィリアムの子ねこ』あらすじ
ポリウィンクル通りに迷い込んだ縞模様の子ねこ。色んな人の後ろについていく子ねこですが、街の人達は忙しく、誰も子ねこのことなんか気にしません。
そこで子ねこは小さな男の子についていくことにしました。名前はウィリアム、4才です。4才のウィリアムは郵便屋さんでもなく食料品店の店員さんでもなく、学校へ行く年齢でもありません。忙しくないウィリアムは、子ねこの存在に気づくことができました。
さらにはウィリアムが家に駆け込むのと同時に子ねこもウィリアムのお家に入ってきて…!?
タイトル | ウィリアムの子ねこ |
作者 | マージョリー・フラック(Marjorie Flack)/作・絵 まさきるりこ/訳 |
出版社 | 徳間書店 |
対象年齢 | 小学校低中学年〜 |
我が家で読んだ時期 | 小2~小4 |
『ウィリアムの子ねこ』レビュー
このお話、構成が素晴らしいなと思いました。まず主人公であるウィリアムが登場するまでの流れが秀逸で、テンポよく進みます。そのおかげで子ねこがウィリアムのお家にたどり着くのが必然のように感じられて、読んでいる方も納得感がありますね。
さらに読み進めると「ん??もしかしてこれはこういうこと!?」という場面が出てくるのですが、長男もその謎に気付いたようです。お話の中に「もしかして…?」→「あーやっぱり!!」が感じられる要素があると、子ども達の反応がすごく良いです。あっという間に1冊読み終わりました。最後には嬉しいサプライズもあり、誰もが幸せな気分になれるお話でした。
私自身数え切れないくらいたくさんの絵本や児童書を読んできて、すんなりお話に入り込める作品とそうでない作品とにはっきり分かれるのですが、この作品はまさに前者ですね。
この作品の出版社である徳間書店さんからのメッセージで
『アンガスとあひる』で知られる絵本作家、マージョリー・フラックの絵本をひとり読みができるように読み物の形にしました。
とあるように、マージョリー・フラックさんの絵もそれぞれのページにたっぷりあるし、どういう展開になるのか気になってすいすい読み進められるし、絵本から幼年童話・児童書への移行期にぴったりのお話だと思います。