今回ご紹介するのは広野多珂子さんの絵本『ねぼすけスーザのおかいもの』です。
ん?スーザ!?と思われた鋭い方!!そうです。私のハンドルネームがなぜ「スーザ」なのか。それはこの「スーザ」シリーズが大好きすぎるからです(笑)!!
幼稚園の頃から、何回読んでもらったかわかりません。でも読んでくれた母自身もスーザのお話が大好きでしたし、二人の妹たちも大好きでしたよ。みんなに愛される絵本です^^
『ねぼすけスーザのおかいもの』あらすじ
ねぼすけのスーザは、毎朝マリアおばさんがフライパンを10回たたいてやっと目を覚まします。でも今日はおばさんが目を覚ます前にひとりで起きました。
ロバのサンチェスと丘を5つこえて、街にでかけたスーザ。働いて貯めたお金で素敵なお買い物をするつもりです。市場や通りのお店で素敵なものを見つけては立ち止まるスーザですが、どれも「一番」素敵なものではありません。
さらに進んでいくと、綺麗な赤い椅子がスーザの目に飛び込んできました。やっと一番素敵なものを見つけたスーザは、お店のおじさんに持っているお金を全部渡します。ところがおじさんは、このお店にある椅子は全部、これっぽっちのお金では買えないと言うのです。
スーザはがっかりしてお店を出ます。ため息をつきながら歩いていると、捨ててある古ぼけた椅子が目に入りました。長い間椅子を見つめていたスーザは、とってもいいことを思いつきます。貯めたお金を全部使ってある物を買い、急いで帰ります。スーザが買って帰ったものとはいったい…?
タイトル | ねぼすけスーザのおかいもの |
作者 | 広野多珂子/作 |
出版社 | 福音館書店 |
読んであげるなら | 3才から |
自分で読むなら | 小学校中学年から |
『ねぼすけスーザのおかいもの』レビュー
一瞬で引き込まれる、物語のはじまり
『ねぼすけスーザ』シリーズのお話はどれも始まりのフレーズが一緒なんです。この始まり方が子どもにとってはたまらないんですよね。
スーザと マリアおばさんは、オリーブばたけに かこまれた ちいさな むらに すんでいます。
まいあさ ねぼすけの スーザは、ちょっとやそっとでは めを さましません。
ねこのベルダが はなを こちょこちょ くすぐっても、いぬの ホセが もうふを ひっぱっても だめ。
マリアおばさんが フライパンを 10かいたたいて やっと めを あけるのです。
フライパンを10回たたいてやっと目を覚ますんですよ!!幼稚園の頃、私はこれが羨ましくて羨ましくてしょうがなかったんです。一緒に住んでいたおばあちゃんにフライパンをたたいてもらったりもしました(笑)
『ねぼすけスーザ』シリーズはどれも、この始まり方なんです。このフレーズを目にするたびに、なんだか心地いい場所に戻ってきたような安心感があります^^
読むたびに涙ぐむ結末
『ねぼすけスーザ』シリーズのお話は、どれも結末でうるうるっときてしまうお話ばかりです。中でも特に、幼稚園の頃初めて出会ったこの『ねぼすけスーザのおかいもの』は、息子と一緒に読んでいても毎回うっすら涙がにじみます。
スーザが大切に大切に貯めたお金で買ったものは何なのか。スーザの真っ直ぐで優しい気持ちに胸がきゅーっとなります。
スーザがとっても魅力的
このお話で一番ぐっとくるのは、やっぱりスーザの真っ直ぐな心です。街で自分の気に入ったものを見つけても、何度も何度も我慢して、やっと一番素敵なものを見つけます。そう、自分の欲しいものを我慢して探しているということは…誰かへの贈り物なわけですね^^
それなのに、頑張って貯めてきたお金では足りないと言われてしまいます。
途方にくれるスーザですが、それでも諦めず、とってもいいアイデアを思いつきますよ。お話の最後のスーザの嬉しそうな表情がほんとにたまりません^^
これが、朝も早起きでばんばんお手伝いしちゃうとってもいい子のスーザだったら、また違ったと思うんです。どんなに起こされてもなかなか起きられないねぼすけさんな一面があるからこそ、より愛らしく、魅力的に感じてしまうんですよね。
おわりに
私がハンドルネームにするほど大好きな『ねぼすけスーザ』シリーズ。1作目の『ねぼすけスーザのおかいもの』が1991年に出版されて、昨年2014年に7作目の完結編が出版されました。これから1冊ずつご紹介していきたいと思いますのでお楽しみに^^
※絵本の表紙、見開き写真は、福音館書店ご担当者様の許可を得て掲載しています。 リンク
スーザの次のお話はこちら。
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