こんにちは。スーザ(@ouchidesugosou)です。
今日紹介するクリスマス絵本は、いつもの絵本とひと味違います。ハンドメイド好きな方だったら、感動の溜息がでてしまうこと間違いなしの、とっても素敵なクリスマス絵本なんです。
『クリスマス・イブのおはなし』ってどんな絵本?
まずはじめに、『クリスマス・イブのおはなし』がどんな絵本か簡単に説明しますね。
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- 福音館書店から「日本傑作絵本シリーズ」として出版されている
- 箱型カバーに3冊の絵本が入ったセット。1冊ずつ別々に購入することも可能。
ここまでは、以前紹介した『クリスマスの三つのおくりもの』とそっくりなんですよね。
3冊セットだし、クリスマス絵本だし、手のひらサイズだし、3冊のストーリーが微妙につながっているところもそっくりです。
- 作者は長尾玲子さんそして「長尾玲子さん」の作品の最大の魅力は、絵が全て刺繍でできているということ!!
では『クリスマス・イブのおはなし』の魅力を3つにまとめてみましたので、ご覧ください。
1.絵が刺繍でてきている
私が長尾玲子さんの作品に出会ったのは、次男の出産のため里帰りをしていた時でした。一緒に図書館に行った時に母が選んだ絵本が長尾玲子さんの絵本だったんです。
母は手芸全般が得意で、ピアノの発表会のドレスやリカちゃん人形の服などよく作ってもらっていました。母が選んだ絵本の表紙を見た途端、「さすが母さん!!よくこんな絵本見つけたね。」とつい口から出てしまいました。
だって、絵が全て刺繍で出来ていたんです。一針一針作者の長尾玲子さんが手縫いで作成されたのですね。母も刺繍にハマっていた時期があったので、これがどれだけすごいことなのかはよくわかりました。なので絵本を読む前から、長尾玲子さんの作品の魅力に親子揃ってハマってしまったのです。
しかも絵の部分だけでなく、表紙や見開き全体に布地が印刷されていて、文字も布地の上に印字されています。ぜひ目を凝らして見てみてください。
ちなみにその時母が選んだ絵本はこちら。
2.繋がりのあるストーリー
『クリスマス・イブのおはなし』には3冊の絵本が入っています。3冊全てがクリスマス・イブの日の出来事なのですが、『あっちゃんとゆびにんぎょう』はあっちゃんの、『100こめのクリスマスケーキ』はケーキ屋さんの、『サンタさんのいちにち』はサンタさんの視点から描かれています。
別々のストーリーだけど、お互いがちょっとずつ関わりを持っていて、それに気付いた瞬間がなんとも嬉しいです。大人の私たちはすぐに気が付くけれど、読んであげる子どもの年齢によっては、初めは気付かないこともあるかもしれません。何度も、何年も読んであげるうちに子どもたちが「あっっ!!」と気付く日がきたら、これ以上の幸せはありませんね。
3.巻末には指人形の型紙が
『クリスマス・イブのおはなし』は、指人形がストーリーの鍵になっているお話があります。あっちゃんが指人形を作っているシーンがありますが、読み終わった後子どもたちと一緒に指人形を作れるように、型紙がついているんですよ。
『あっちゃんとゆびにんぎょう』にはあっちゃんの、『100こめのクリスマスケーキ』にはケーキ屋さんの、『サンタさんのいちにち』にはサンタさんとトナカイの型紙がついています。
『あっちゃんとゆびにんぎょう』
『あっちゃんとゆびにんぎょう』あらすじ
クリスマス・イブの日、あっちゃんはクリスマスケーキを買ってくるよう、お母さんに頼まれます。ケーキ屋に着くと、そこはお客様でいっぱい。ケーキ屋さんはあっちゃんに気が付きません。そのままケーキは全部売れてしまいます。
泣き出すあっちゃんにケーキ屋さんが差し出したのは、特別製の大きなケーキ。家に帰ったあっちゃんは、ケーキ屋さんにもプレゼントを贈りたくなり、何やら作り始めます。
その夜食べたケーキがあんまり美味しかったので、あっちゃんは…!?
スーザの一言コメント
ケーキ屋さんがあっちゃんに全然気付いてくれないので、読む度に「ここにあっちゃんがいるよ、気付いてー!!」とつい声に出してしまいそうになります。
でも泣き出したあっちゃんに目の前に差し出された豪華なケーキを見ると、そんな心配も一瞬で吹き飛んでしまいました^^ケーキ屋さんにお礼をしようと何かを作りだすあっちゃんの優しさにもグッときます。
『100こめのクリスマスケーキ』
『100こめのクリスマスケーキ』あらすじ
クリスマス・イブの朝、ケーキ屋さんはケーキを99個作りました。そして最後の100個目にはとっても大きなケーキを。ねこのクロと大きなケーキを食べるのが毎年の楽しみなのです。
99個のケーキが売れたあと、小さな女の子が立っているのに気付いたケーキ屋さん。売り物のケーキがなくなってしまい泣き出す女の子に、100個目の特別なケーキを差し出します。
ケーキ屋さんがお店を閉めた後にドアをノックする音が。開けてみるとそこには…!?
スーザの一言コメント
クリスマスシーズンのケーキ屋さんって、とても忙しそうですね。先日近所のケーキ屋さんに行った時も、お店の中がクリスマス一色でした。
99個のケーキを作るケーキ屋さん。そのページには、99個のケーキが!!もちろん一針一針長尾玲子さんの手縫いです。ひえー圧巻。
クロとのお楽しみのために作っておいた特別なケーキをあっちゃんに差し出すケーキ屋さん。今年はケーキがなくてちょっぴり寂しいクリスマスを過ごすのかな?と思いきや…!!最後には素敵なプレゼントが。
『サンタさんのいちにち』
『サンタさんのいちにち』あらすじ
クリスマス・イブの朝、サンタさんとトナカイは、プレゼントの準備に大忙し。夜になるとプレゼントをそりに積んで出発です。窓から様子を見て、寝ている子からプレゼントを配ります。
今年最後のプレゼントをあっちゃんのうちに届けるサンタさんとトナカイ。プレゼントを靴下に入れてふと見ると、そこには…!?
スーザの一言コメント
サンタさんが窓から家の中を覗いているシーン、そこにはあっちゃんの姿が。実はこのシーン、残りの2冊のうちのどちらかにも登場するんです。見つけた時はつい顔がにやけてしまうかも。ぜひ探してみてください。
おわりに
実は『クリスマス・イブのおはなし』に出てくる登場人物には、表情がついていないんです。輪郭の中は真っ白なんですね。でも読んでいると全くそんなことを感じさせません。
顔の表情がないのに、それぞれの登場人物が生き生きしていて、本当に喋っているように感じるんです。これも長尾玲子さんの気持ちが一針一針に込められているからなのかもしれませんね。
絵を眺めているだけで、手縫いの温かさ、登場人物達の温かさに触れることが出来る素晴らしい絵本です。
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※絵本の表紙、見開き写真は、福音館書店ご担当者様の許可を得て掲載しています。
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