こんにちは。スーザ(@ouchidesugosou)です。
今日は片山健さんの「コッコさん」シリーズの中から『コッコさんのかかし』を紹介します。
『コッコさんのかかし』ってどんな絵本?
『コッコさんのかかし』について、簡単に説明します。
初めはコッコさんじゃなかった!?
この『コッコさんのかかし』は、実は福音館書店の月刊誌「かがくのとも」として1988年に出版されたものなんです。その時は『かかし』というタイトルで、主人公の女の子も「コッコさん」ではなく「きくちゃん」という子だったんです。
そしてこの作品が後に日本傑作絵本シリーズの『コッコさんのかかし』としてハードカバー化されたのですね。
表紙の絵を見比べると、かかしの帽子の位置が違ったり、『かかし』の時には登場していなかったお母さんが登場していたりと、変わっているところもあるようです。2冊の違いを見つけるのも楽しいですね。
他作品と違うところ
「コッコさん」シリーズの絵の特徴は、片山健さんの優しい、でも独特の味わいのある水彩画だと思います。でもこの『コッコさんのかかし』だけは、油絵で描かれています。
なのでいつものコッコさんと少し雰囲気が違うんですよね。
『コッコさんのかかし』あらすじ
お父さんとお兄ちゃんと、かかしを作ったコッコさん。近所のおばさんの畑に立てさせてもらうことになりました。真っ暗な夜も、梅雨の雨の中でも、かかしは鳥を見張っています。
よく姿が見えていたかかしも、陸稲がどんどん成長していくにつれ、姿が隠れていってしまいます。
刈り入れの日、畑を見に行くとかかしの姿が見えません。それから寒くなっていき、コッコさんはかかしのことを忘れてしまいます。ところが、久しぶりに畑に行ってみると…!?
『コッコさんのかかし』みどころ
陸稲の育つ様子が美しい
この絵本、『コッコさんのかかし』というタイトルなので、かかしに注目してしまうんですが、他にも見て欲しいところがあるんです。それが陸稲(おかぼ)。
かかしの1年間を見守るっていうことは、野菜や稲の1年間の成長を見守るってことでもあるんだなぁと、この絵本を読んで感じました。
最初は背が低く、かかしの全身が見えていたのに、陸稲がどんどん伸びて、かかしの頭だけしか見えなくなります。そして、
あきになりました。
おかぼは きんいろに いろづいて、
おもそうに ほを たれていました。
このページがとっても好きです。青い空の下、お兄ちゃんとかかしとコッコさんの後ろ姿が並び、3人の目の前には金色に実った稲が穂を垂れています。
毎日炊きたてのご飯をおいしいおいしいといただく私達日本人にとっては、とっても幸せな風景だなと思います。
台風のシーンの迫力
この絵本の中で、1箇所だけ、文字のない絵だけのシーンがあるんです。それが台風のシーン。
黒い雲がかかしに迫ってくるこの絵を見て、長男も感じるところがあったのか、しばらくの間食い入るように見つめていました。
おわりに
毎日食べているお米や野菜がどうやってできているのか。畑や田んぼでこうやって人の手で作られていることを知らない子どもたちも、もしかしたら増えているかもしれません。
子どもたちには出来る限り、自分の食べているものがどうやってできているのか知っていてほしいなと思います。
お休みの日に、コッコさんのように家族でかかしを作って農家の方にもらっていただくのも、楽しいかもしれません^^
※絵本の表紙、見開き写真は、福音館書店ご担当者様の許可を得て掲載しています。
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